ひとくちに芝生といっても小面積の家庭の芝生から高度な管理を要求されるスポーツターフまでその用途は多岐にわたり,用いられる芝草の種類も様々です。
ここでは,芝生の造成と管理について西洋芝を中心に基本的な項目を説明します。
土壌の深さは30cm位まで耕転するのが理想的ですが,20cm以上の厚さを保てば芝生の生育上は問題ありません。 石や雑草の根を取り除き,元肥として有機質肥料やリン酸成分を多く含んだ化成肥料を混入します。 通気・透水性の悪い粘土質土壌では根腐れや酸素不足をさけるため砂や土壌改良材を混入し,また,保水性の悪い土壌ではパーライトや保水剤等を用いて芝生の生育に必要な土壌基盤を整えます。
芝草類は寒地型草種と暖地型草種に大別されますので,利用地域の気候条件,芝生造成後の管理レベルや利用目的に応じて草種を選ぶことが最も重要になります。 また,異なる特性を持った草種・品種同士の相互補完効果を目的として複数の草種・品種を混合して使用することが一般的ですので,主草種の決定後に混合する補助種を選定するようにします。
暖地型草種は発芽・生育ともに高い温度を要求しますので春~初夏の播種が基本です。
また,寒地型草種は夏の高温期を除き春と秋の播種が可能となりますが,夏のストレスをさけるために秋播きを基本とします。
播種の方法はゴルフコースなど大面積の場合は,ハイドロシーダーによる吹付や牽引式の大型ドロップシーダー等で,小面積の場合は小型のドロップシーダーや,種子と同じ量の砂を混ぜ合わせて手播きすることもできます。
また,種子は小さく軽いため,なるべく風のない日に行うことも大事です。
播種後はレーキ等を利用して表土と種子を軽く混合するようになじませてからローラーで転圧します。
やむを得ず適期に播種できず気候条件が悪い場合は,保温や保湿の目的で不織布やポリエチレンフィルム等を使用しマルチングをすることもあります。
品種の選定についてはこちらをご参照ください。
播種適期はについてはこちらをご参照ください。
播種後種子の発芽までは土壌が常に湿っている状態を保つように散水し,その後は芝の生育状態や土壌の乾燥具合を見ながら必要に応じて散水します。 また,高温期の水分過剰は病原菌の繁殖を助長し病気の発生原因ともなりますので十分注意が必要です。
施芝草類は頻繁な刈り込みと目土の施用を行うことによって初めて芝生を形成します。 最初の刈り込みは,目標とする刈高の1.3~1.5倍位の草丈になったら行います。 以降,芝生の生長に応じて目標とする一定の刈高で刈り込み作業を繰り返しますが,刈り取る草の長さは全草丈の1/3以下にとどめ,少しずつ頻繁に行うことが大切です。 また,伸長した芝草を急に刈り込むと過大なストレスがかかり,衰退の原因となりますので注意が必要です。
刈り込みを繰り返すことは,芝生地から養分を持ち出すことになるため,芝草の生長や刈り込み回数に応じて施肥を行う必要があります。 施肥量は,芝草の種類や芝生の利用形態によっても異なりますが,一般芝生地でのm2当たりの年間施肥量としては,チッソ(N)20~30g,リン(P)15~25g,カリ(K)10~20gが標準量です。 1回の量を少なく,年に5~7回位に分けて行うのが適当です。 また,目土は密度の高い均一な芝生を作るには欠かせない作業で,施用することにより土壌の表面の凹凸を無くし,芝草のほふく茎の伸長や分けつによる生育を促します。なお,サッチの集積やマット化の軽減も図れます。 施用時期は寒地型西洋芝草の場合3~6月,10~11月の生育時期に行うこととし,病害や黄化病を防ぐためにも高温多湿期や生長休止中は極力避けることが賢明です。
刈り込みを繰り返すことは,芝生地から養分を持ち出すことになるため,芝草の生長や刈り込み回数に応じて施肥を行う必要があります。 施肥量は,芝草の種類や芝生の利用形態によっても異なりますが,一般芝生地でのm2当たりの年間施肥量としては,チッソ(N)20~30g,リン(P)15~25g,カリ(K)10~20gが標準量です。 1回の量を少なく,年に5~7回位に分けて行うのが適当です。 また,目土は密度の高い均一な芝生を作るには欠かせない作業で,施用することにより土壌の表面の凹凸を無くし,芝草のほふく茎の伸長や分けつによる生育を促します。なお,サッチの集積やマット化の軽減も図れます。 施用時期は寒地型西洋芝草の場合3~6月,10~11月の生育時期に行うこととし,病害や黄化病を防ぐためにも高温多湿期や生長休止中は極力避けることが賢明です。
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植物に被害をもたらす病原体は空気伝染性と土壌伝染性がありますが,芝草の病気の大半が後者となりますので病原菌の発生しにくい土壌環境の整備と共に,発生の時期を把握して予防と発生後早期の対処を心がけるようにします。
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害虫には茎葉を食害するものと根部を食害するものに大きく分かれますが,芝草害虫の場合潜伏性のものが多く,その発生を未然に防ぐことは非常に困難です。 そのため,芝生地に発生する害虫の生態や習性について理解し,早期発見と対処に努めます。
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